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身からでるのはサビだけなのか? 毎朝、インターネットの情報検索で、とてもマイナーなWEBプレゼントに応募するのを日課にしている。 だって、メジャーサイトの ビッグなプレゼントは 当たらないんだもの。 そんなこんなで、「一等賞金2億円!」と世間が浮かれている宝くじも買っていない。 「ねぇさん、買わな あたらんで」という助言もあるが、私にはきっと当たらない。苦節15年、末等ばかりの私には、宝くじは商店街の福引きにも劣る、競馬やパチンコなんかより率の悪いギャンブルである。 それはさて置き、つまんないもんでも 投資もなく、当たるとうれしいので、マイナーサイトの「もれなくプレゼント」早く言ってしまえば「試供品」集めに、朝のひとときを費やしてしまう。 たいていの場合、ポストに入るサイズの封筒に、使いきりの化粧水だとかシャンプー、一回分のビタミン剤等が放り込まれているのだが、あの日は違ったのである。 朝、仕事に出かける直前、トイレで用を足していると、チャイムが鳴った。玄関の施錠は万全なのでトイレに腰掛けたまま「どなた〜?」と声を上げながら身繕いをすると「宅急便です〜」の声。 今、水を流すとバレバレだな〜と恥じらいの強い私は、小用を流さないまま玄関で荷物を受け取った。玄関を閉め改めて荷物を見ると、高級おせんべいの詰め合わせセットである。差出人はメーカ本人でWEB月間プレゼントと記載されている。 やったぁ〜苦節3年!初めてインターネットで商品らしいものが当たったのである。喜びのあまり、部屋へとって返すと早速開封。ブリキの缶の中には整然と、しかもぎっしりとバラエティに富んだおせんべいさまが詰まっている。きゃっほ〜、こいつぁ朝から縁起がいいわい。ふと時計を見ると、いつもの出勤時間はとっくに過ぎている。靴下履くのももどかしく、サンダルを引っかけて会社へと急いだ。 その日は週末。週末のほとんどを知人の家で過ごすことにしている私はいつものように仕事が終わると、知人宅へ直行し、いつもどおりののんびりとした週末を過ごし、日曜日の深夜に帰宅した。 帰宅して、テーブルの上を見るとおせんべいの缶が置いてある。そうだ、金曜日のあの感動がよみがえってくる。早速ひと種類ずつ味を確かめるようにおせんべいに舌鼓を打ち、日本茶を戴く。日本人に生まれた喜びを感じる瞬間である。 日本茶をおかわりしているうちに、尿意を覚えトイレへ向かった。ドアを開けたとたん鼻を突き、目に染みるほどの臭気。いったい何が起こっているのか?留守中に一体何が起こったのか?慌ててトイレのドアを閉め、状況の把握に集中する。そうだ、私は、おせんべ宅配便に悟られないため、トイレを流さないで、受け取りに出たのであった。その後当選の興奮でトイレのことなどまったく失念していた。それから丸3日…夏日が続く中、締め切ったトイレはそのままの状態だったのだ。 水洗になってからとんと忘れていた、溜め置き式のトイレのあの刺すようなアンモニア臭。自分の身から出たものが、こんなに臭いものだとは思ってもいなかった。 このままではトイレを使うことはできない!しかも大量の日本茶のせいで、状況は逼迫している… 決心した私は目をつむり、息を止めてトイレのドアを開け、ノブを回し水洗の水を流した。再びドアを閉め換気扇をフル回転させる。 しかし、今すぐ使えそうな状況にはほど遠い臭気である。もはや、一刻の猶予もないと判断した私は、トイレを借りるべく、近くのファーストフード店へと急いだ。 再び帰宅して数十分、恐る恐るトイレをあけると、多少、臭気は収まっていたので、洗剤を振り掛け、ごしごしとトイレ掃除と消臭剤の大量散布をする。 文字どおり身から出たとは言え、体に染み込むようなあの臭気を思い出し、トイレがきちんと閉まっていてよかったと心から思いながらようやくいつもの平静さを取り戻したのである。 こんなことなら、あの時女心なんかに惑わされず、豪快に流しときゃよかったぜ… 1999/5/23 UP
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